♥中絶

日本では年間約20万件の中絶が行われています。その数は出生数の1/5、東京都渋谷区の人口とほぼ同じ数で、年間自殺者数の約7倍の数にも及びます。

その原因の多くは避妊の失敗ですが、セックスをする以上、妊娠する可能性は0にはなりません。

万が一、予期せず妊娠してしまった場合、中絶にはどんなリスクがあり、どのくらいの費用がかかるのか、いつまでできるのか、をきちんと知っておくことが大事です。

 

妊娠初期(12週未満)と、それ以降とでは手術方法が異なり、母体に与える影響にも違いがあります。もし中絶を選択するなら、早く決断するほうが負担は少なくなります。

 

♥中絶をする条件ってあるの?

中絶手術が受けられる条件は、母体保護法によって定められています。

 

●妊娠の継続または分娩が身体的または経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるもの

 

●暴行若しくは脅迫によってまたは抵抗若しくは拒絶することができない間に姦淫されて妊娠したもの

 

●妊娠21週+6日までで、22週以降は法律により中絶することはできません。

 

そして中絶を行う場合には、例外を除き、配偶者の同意が必要です。

 

また、母体保護法指定医で手術を受ける必要があります。

病院を選ぶときには「指定医」であることを確認し、また手術前後の通院に備えて、できるだけ通いやすい場所にしましょう。


♥中絶手術が受けられる時期と費用は?

中絶手術はその時期で初期と中期に分かれ、中期手術になるとカラダへの負担も費用も大きくなります。だからこそ、早く妊娠に気がつくこと、出産と中絶をどちらかを決められた期間までに選択することが大事です。

手術・診察は保険の対象外で、自費診療となります。

 

●初期中絶

・妊娠11週+6日まで

・費用8~14万円程度(日帰り手術可)

 ※医療機関によって異なる

 

【内容】 

・手術前日にラミナリアと呼ばれる、水を含むとふくらむ海藻でできた物質を膣から入れて、一晩かけて子宮口を広げる

・手術当日は全身麻酔の上、子宮内をかき出し、更に吸引器で吸い出す場合もある

 

●中期中絶

・妊娠12週~妊娠21週+6日まで

・費用15万円~30万円程度(入院3-4日) 

 ※医療機関によって異なる

 

【内容】

・手術前日にラミナリアと呼ばれる、水を含むとふくらむ海藻でできた物質を膣から入れて、一晩かけて子宮口を広げる

・人工的に陣痛をおこす薬を入れ、出産をさせる

・最後に子宮内に残ったものをかき出す

 

※中期中絶の場合、胎児と胎盤を取り除く必要があるため初期の手術方法と異なり、母体への負担も大きくなる

※役所に死産届を出す必要がある

 

 

※妊娠週数は最終月経(一番最近の月経)の初日を0日としてカウントします。なので、妊娠2週目のころに排卵・受精があり、3週目で着床という数え方になります。

 

♥中絶による影響は?

中絶を選ぶからには、中絶のリスクもしっかり把握しておくことが必要です。今は医学の進歩により、安全な環境で手術を受けることができますが、ココロへの影響は昔も今も変わりません。また、中絶を繰り返すことで将来の不妊につながることもあります。

 

●身体的影響 

・ホルモンバランスの乱れにより月経不順や無月経などの月経異常

・中絶手術後の傷口から感染症⇒炎症・卵管のつまり⇒子宮外妊娠や不妊症の原因に

 

●精神的影響
・罪悪感からくる精神的なストレス、うつ

・手術の記憶によるPTSD(金属音を聞くと手術を思い出しパニックになるなど)
・パートナーとの関係悪化、男性不信

 

こうしたカラダとココロの負担を積み重ねないためにも、妊娠を望まない場合には避妊をしっかりおこない、中絶をくり返さないように努力することが大事です。